
「楽しいひな祭り」
子供の頃、せっせと押し入れから大きな箱を取り出し、台を組み立て、毛氈を敷き、 お雛様を飾ったものだった。
台の裏に取り付けられたオルゴールのネジをカリコリと 巻き「楽しいひな祭り」と言う題名なのにもの悲しく感じるメロディを聴きながら、
一段一段飾って行く。すっかり揃い全体をうっとり眺めていると、オルゴールの最後の 「キン」と言う音色が耳に焼き付いて、
なお一層もの悲しくなるのだった。赤いお顔の 右大臣は、本当は左大臣。作詞者のサトウハチローさんが間違えちゃった?あらま。
子供の頃の小振りな五段飾り。母が木目込人形の先生になってからの八段飾り。 いずれももう跡形もない。お二人を除いては。
雪洞も屏風もなくてごめんなさい。 来年は桃の花も飾りましょう。
